2025年9月からウーバーイーツの配達員向けドライバーアプリに導入された「キャンセル率」と「応答率」の表示が物議をかもしています。
これが配達員の収益や稼働スタイルにどう影響するのか、運営の狙いとSNS・現場の声をもとに分析解説していきましょう。
ウーバーイーツがキャンセル率・応答率を導入した理由とは?
ウーバーイーツが配達員用のドライバーアプリにキャンセル率と応答率を導入した理由について、ウーバーイーツ側の見解としては以下の通りになっています。
顧客満足度と待ち時間の短縮
ウーバーイーツがこの仕様を導入した背景には、顧客の待ち時間を減らし、満足度を高める狙いがあります。
配達リクエストにすぐ応答できるドライバーが増えれば、料理の受け渡しまでのスピードが改善されます。
配達効率アップを狙った運営の思惑
応答率が高いドライバーは注文処理がスムーズに進むため、全体の効率も向上します。結果的に配達回数が増え、ドライバーも収益を伸ばせる…というのがウーバー運営の言い分となっています。
応答率・キャンセル率は収益に直結するのか?
ではキャンセル率と応答率が低い配達員は稼げないのか?現実の配達員の声をまとめてみました。
実際の配達員の声「単価が低いと受けない」
現場の声では「応答率を上げたければまず単価を上げろ」という意見が多く見られます。単価が低い案件を無理に受けても配達員側の収益効率は悪化するだけだという考えです。
高キャンセル率・低応答率でも稼働できる現実
実際にはキャンセル率20%、応答率5%でも問題なく稼働しているドライバーが多々います。
現状ではリクエスト頻度や収益に大きな差はなく、「見せかけの指標」と感じる人も少なくありません。
またダブル・トリプルの一つを受けキャンする「解体」を基本とした稼働スタイルがあるのも高キャンセル率・低応答率になってしまう要因になっています。
他社サービスとの違いを比較
ウーバーの競合他社となるフードデリバリーサービスにおいて、配達員側はウーバーのように気軽に受けキャン、気軽に配達リクエスト拒否…というわけにはいかない現状があります。
その中でもウーバーイーツの競合・対抗として関東で急激にシェアを拡大しているロケットナウは、応答率・キャンセル率は収益に直結するシステムになっています。
ロケットナウの高単価戦略との対比
ロケットナウは「応答率を気にせず受けたくなる単価」を提示することで自然に受注率を高めている傾向があります。
また一定の応答率と件数を保つことにより一件あたりの単価があるドライバーズリワードプログラムが導入されており、頑張れば頑張った分だけ稼げるシステムになっています。
現状、なんのアナウンスもないウーバーイーツが配達員に与えている「心理的圧力」とは真逆の企業戦略といえるでしょう。
キャンセル率や応答率でアカウント停止はある?
現時点では表示のみで、低評価が即アカウント停止につながることは確認されていません。ただしSNSを中心に「心理的なプレッシャー」として機能しているのは確かです。
今後のペナルティ導入の可能性
将来的には低応答率の配達員に対して、配達リクエストを減らすなどの制限が入る可能性も否定できませんが、そうなるとフードデリバリー競合他社へ配達員が多く流れてしまう可能性を考えるとペナルティの導入は低いとみられています。
配達員が取るべき立ち回りと工夫
東京と地方では単価や距離が異なり、稼ぐための立ち回りにも違いがあるので、応答率やキャンセル率を気にする方と全く気にしない二つの考え方があります。
東京都内での稼働ではダブルやトリプルの一部を受けキャンする「解体」を行うことで配達員側が配達の効率をハンドリングする稼働方式があります。
応答率を上げる具体的な方法
- 単価が高いピークタイムに全受け
- 案件を受けたら新規案件を受けない状態に切り替える
- アイドルタイムは他社フードデリバリーで稼働する
キャンセルを減らす工夫
- 受注前に地図や店舗情報を確認
- 解体前提でリクエストを受けない
- 我慢する
まとめ
ウーバーイーツが導入した「キャンセル率」「応答率」は、現時点では配達員の自由度を大きく制限するものではありません。
しかし、運営の狙いは効率化と顧客満足度向上にあり、将来的にペナルティが加わる可能性もあります。収益と効率を両立させるために、自分に合った立ち回りを見極めることが大切です。
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