ウーバーイーツの現金払い設定は、売上アップにつながる可能性がある一方で、トラブルの温床にもなりかねない現状があります。
このページでは「現金客がヤバい」と言われる理由から、実際の事例、そしてタダ飯や外国硬貨トラブルを防ぐための実践的な対策までを、現役配達員の視点で詳しく解説します。
ウーバーイーツの現金払いとは?仕組みと基本ルール
現金払いは、注文者がアプリで「現金で支払う」を選んだ場合、配達員が商品を渡す際に直接代金を受け取る仕組みです。配達員は一時的に現金を受け取り、後に売上から差し引かれる形で精算されます。
現金払いの設定をONにする前に知っておくべきこと
現金払いを有効にすると、クレジットカード未登録の顧客や高齢者層など、注文機会が広がります。しかし、現金受け渡しはトラブルのリスクもあり、配達回数100回未満の初心者配達員は慎重な判断が必要です。
悪質な注文者によっては、支払い忘れや不正行為が発生することもあります。
現金配達で必要な準備(お釣り・確認)
・必ずお釣りを十分に用意しておく
・代金と商品を同時に確認、可能であればやり取りの証拠を残す
・受け取ったお金はその場で明るい場所で確認
この3点を徹底するだけで、トラブルの大半を防げます。
現金客が「ヤバい」と言われる理由

配達員の間で“ヤバい客”といわれる現金客には、いくつかの特徴があります。
支払いをしない・ごまかす“タダ飯客”の実態
「あとで払う」「クレカで精算する予定だった」などと言い訳をして、現金を支払わずに受け取ろうとするケース。
配達員が現金を受け取っていないのに受け取ったことにして配達完了してしまうと、ウーバー側のサポートでも、後追いで回収が難しい場合が多く、配達員が泣き寝入りになることも…というか泣き寝入りが現実であり、この場合は配達員が注文者に現金で商品をおごったことになります。
外国硬貨トラブル(特に韓国500ウォン問題)
500ウォン硬貨は、見た目やサイズが500円玉に非常に似ています。しかし価値は約10分の1程度(50円前後)
暗い場所での受け渡し時に、よく確認せずにに受け取ってしまうケースがあります。
→受け取った硬貨はライトを当てて確認する、デザインの違い(数字・字体)を覚えるなど、自己防衛が必要です。
「あとで払う」など詐欺まがいの言動例
悪質なのが「後からアプリでクレジット精算するから先に受け取らせて」と言う注文者。しかし、これは詐欺行為の可能性があります。
このような場合はその場でサポートに連絡し、指示を仰ぎましょう。
深夜・繁華街でのトラブル発生率が高い理由
人通りの少ない時間帯や、酔客が多いエリアでは現金トラブルが発生しやすい傾向があります。現金払いの深夜配達を行う場合は、可能な限り明るい場所で受け渡すよう意識しましょう。
タダ飯被害を防ぐための具体的対策
結局のところ、実際は配達員が商品を届けて(置き配含む)注文者は受け取ったにも関わらず注文者が受け取っていないからウーバーに返金を要請するタダ飯被害があるのが現実です。
これはウーバーイーツの仕組み上、どうしても起こりうることであり、他にも現金受け取り配達なのにお客様からのメッセージ指示で置き配達に、現金はドア前に置いておく(これは注文者のNG行為、現金は対面でないとダメ)などがあります。
注文者が現金をマンションの玄関に置いてドアを閉めた時点でその現金は誰の物か分からないということ。当然ながら風で紙幣が飛ばされる可能性もありますし、誰かが拾ってもっていっても分かりません。
お金を受け取る前に確認すべき3つのポイント
- 支払い金額をアプリで確認
- お釣りの準備を手元に置く
- 相手が現金を出した瞬間をしっかり見る
これらを怠ると、意図せず“未払い”を許してしまうことになります。
証拠を残す!スマホでの撮影・サポート報告のコツ
トラブル発生時は、すぐにアプリの「サポートに連絡」を活用し、
・現場写真
・相手とのやり取り内容
・金額の確認スクショ
を添えて報告しましょう。
法律で認められた「現金取引の断り方」とは
法律上、同一硬貨での支払いは1度に20枚までと定められています。極端に多い小銭支払いは断ることが可能です。
また、日本円以外の硬貨が混ざっている場合も、「確認が必要なので受け取れません」と正直に伝えてサポートに連絡が確実です。
以前の未代分を配達員が回収することについて
たまに注文者が前回の注文時に何らかの事情によって支払われなかった金額(以前の未代分)が含まれていることがあります。
これは以前に支払わなかった金額を次回の配達の際に配達員が一緒に回収するというものですが、これは厳密には債権回収の代行ではないか?と囁かれています。
代金を請求する権利を持つ本人(企業や個人事業主など)は自らの債権を回収する権利がある、だから以前の未回収代金を回収する権利はウーバーイーツに当然あるとしても、一件ごとの請負契約である配達員が違う配達分の代金未収分を回収してよいものなのか?ということです。
しかし注文者は以前の未代分を含めているとはいっても、注文者は合計金額を配達員に現金で払うことで注文しているので配達員は債権回収の代行にはならない、配達員はあくまでウーバーイーツからの一件の請負契約で提示されている金額を回収しているだけということにもなります。
この辺りの解釈は今後に変わってくる可能性があるということになります。
収益とリスクのバランスを考える
配達リクエストが少ない「鳴りが悪い」「鳴りが渋い」時間帯に現金ONにする方が多いように感じていますが、トラブル発生のリスクから現金OFFのままの配達員が多いのが現実です。
ウーバーイーツのシェアが強く、他社が弱い時は現金ON/OFFで鳴りの悪さをカバーする立ち回りが良しとされていた時代もありますが、競合となるロケットナウがシェア拡大して急速に伸びてきたことから「それなら他社同時オンラインで鳴りを増やす」といった流れが出てきています。
現金配達は本当に稼げるのか?
現金払いをONにすると、カード非対応の注文が拾える分、鳴りが増える傾向にあります。ただし、1件あたりの対応時間も増えるため、結果的に時給換算では下がるというか変わらないかもしれません。
これは一件にかかる配達時間を短くすることで回数をこなす考え方となり、たしかに非オートロックマンションの1階で起き配案件と現金案件ではかなりの時間差がでてきます。
しかし、逆に少々面倒な高級マンションの現金案件だからこその高単価…といった場合があるのもまた現実です。
リスク回避と収益確保の最適ライン
・昼間や明るい時間帯のみ現金ON
・深夜帯は現金OFFで安全優先
このように時間帯とエリアで使い分けるのが最も現実的です。
トラブル対応力が“プロ配達員”の評価を左右する
トラブル対応に慣れた配達員ほど、効率的に動けるものです。冷静な対応と証拠の残し方を習得しておけば、サポート対応でも有利に働きます。プロ配達員としての信頼を保つためにも、日常的な備えを怠らないことが重要です。
現金ONにするかはリスク理解がカギ
現金対応は「稼ぎやすい」可能性がある反面、「トラブルリスク」も常につきまといます。
タダ飯、外国硬貨、未払いなど、現金客特有のトラブルは確かに“ヤバい”ですが、知識と準備次第で防ぐことが可能です。
配達員としての責任感と慎重な対応を意識しながら、自分のスタイルに合った稼ぎ方を選びましょう。


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