ウーバーイーツの配達で「ヘルメットを脱ぐか脱がないか問題」
このテーマにはマナー・防犯・実用性と多くの要素が絡みます。今回はその背景や対応策を、配達員の視点で詳しく解説します。
なぜ「ヘルメットを脱げ」と記載されているのか?
ヘルメットの着脱問題はピックアップ時に加盟店からの注意事項として記載されている場合があり、ドロップ時のお客様からの注意事項には記載されていないことがほとんどです。
郵便局員は言われないのに、なぜウーバーだけ?
ウーバーのバイク配達員でよく比較されるのが郵便局の配達員です。
彼らが「ヘルメット」についてとやかく言われない理由はシンプルで、そもそも顔が見えているから・制服を着ているからです。
多くの郵便局バイク配達員が使用するのは、顔が見えるタイプのヘルメット。一般的にジェットヘルメットやハーフヘルメットとされるタイプのヘルメットになります。
対してウーバー配達員にヘルメットタイプの指定はなく、中にはフルフェイスヘルメットを使うこともあるため、顔が完全に隠れてしまうケースもあります。
さらにウーバー配達員には制服が存在しないので信用度の低さもプラスされてしまいます。
「顔を見せろ」という防犯意識の背景
ウーバー配達における「ヘルメット」という言葉の裏には、防犯的な意味も含まれています。
現金払い対応や、夜間の配達などで、顔が見えないことに不安を覚える人も少なくありません。つまりこれはマナーや挨拶の問題以外に、防犯・安心感の問題でもあります。
店舗ピック中の威圧感
実店舗で他のお客様が食事中の店内にフルフェイスのヘルメットで入店すると、店内のお客様に威圧感を与えてしまう可能性があります。
このため、加盟店によってはピックアップ時はヘルメットを脱いで入店するような注意書きがある場合があります。

大規模商業施設でのピックアップ
この他、大規模商業施設(大型のイオンやデパ地下等)では目的のピックアップ先に到達する間にヘルメットをかぶりっぱなしでは周囲から異質に見えてしまいます。
問題はヘルメットをかぶって歩く時間になり、ハーフヘルメット以外は周囲から異質な存在として認識される可能性が高いということです。
どんなヘルメットが問題になるのか?
フルフェイスとジェット型の印象の違い
ヘルメットには大きく分けて以下の種類があります。
- フルフェイス:顔全体を覆う。安全性は高いが顔が隠れる。
- ジェット型:頭部と耳周りを覆う。目や口元は見える。
- 半ヘル(ハーフ):頭頂部のみを覆う。顔は完全に見える。
フルフェイスを着けたままだと、相手から表情が一切見えないため、どうしても威圧感や不信感を与えることがあります。
おすすめのヘルメットと選び方
- ジェットヘル+シールド開閉可:顔を見せたいときに即座に対応可能
- インナーバイザー付きヘルメット:必要時は顔を出せる
「安全性」と「マナー」のバランスを考えると、ウーバーイーツでは脱ぎやすく、顔も見せやすいタイプのジェットヘルメットが理想的です。
ジャイロキャノピーといった屋根付きバイクの場合は雨や風の影響を受けにくいことからハーフヘルメットを使う方が多い傾向になっています。
安全を重要視してフルフェイスを使いたい方は、顎の部分からがばっと開くタイプのシステムヘルメットがおすすめです。
システムヘルメットならばジェットとフルフェイスの両方の使い方が可能です。
ドロップ時にヘルメットを脱がないことで起こるトラブルとは?
- 「配達員がフルフェイスのままで不気味だった」
- 「防犯カメラに顔が映らず不安になった」
- 「顔を見せないまま去られて怖かった」
こういった意見がSNSやレビューサイトに散見されます。
オートロックがないマンションで、一階フロアへの置き配ならばフルフェイスをかぶったままでもいけてしまうイメージで、エレベーターに乗るような配達先でのフルフェイスはやめておいた方が無難です。
低評価の可能性も?
顔が見えないことにより、お客様が玄関を開けない、あるいは配達完了後に低評価をつけられるという事態も起こり得ます。
「顔が見えない=不審者」と思われないためにも、状況に応じた適切な対応が重要です。
とはいっても特殊な施設や、ドロップ先が知り合いが住んでいる近所のマンションの場合なので顔を見せたくない場合があるのがフードデリバリー配達員の本音です。
マスク・サングラスとの組み合わせの注意点
ジェットヘルメット・ハーフヘルメット+マスク+サングラス。この組み合わせは完全に顔を隠しているため、非常に警戒されやすいです。
ピックアップ時とドロップ時は、可能な限りどれか一つは外すようにしたほうが無難です。
暑さ・寒さ・雨など天候別の工夫
- 夏:タオルを仕込む、デオドラント系アイテムを活用する
- 冬:帽子を装備しておく
- 雨:レインキャップとフード併用で印象を和らげる
ヘルメット脱着が煩わしくなる気候もありますが、相手への印象を少し意識するだけで、BAD評価やトラブルを避けることができます。
気候に応じた配達員の現実的対応
「ヘルメットを脱ぐ=無理をする」ではなく、できる範囲で顔を見せる工夫が大切です。とはいっても顔を見せるデメリットが大きい場合もあるので、判断に悩むところでしょう。
ウーバー公式の見解と配達員のリアルな声
ガイドラインではどうなっている?
ウーバーイーツの配達パートナーガイドには、明確に「ヘルメットを脱ぐこと」が義務とは記載されていません。お客様との信頼関係構築やクレーム防止のために「丁寧な対応」が推奨されています。
つまり曖昧であり、状況に応じて配達員が考えるしかありません。
現役配達員たちの実体験と工夫
- 「ジェットヘルで対応、顔は見せてる」
- 「低評価が多いので、フルフェイスをやめた」
- 「雨天以外はヘルメットを脱ぐ」
- 「評価を気にせずヘルメット被りっぱなし」
工夫次第で印象も対応も大きく変わるのが実情です。
ピックアップ先・ドロップ先によって「脱ぐ」「脱がない」を判断する
ある程度の配達経験をかさねると、「このピックアップ店舗では脱いだ方がいい」「このドロップ先は脱がなくていい」といった独自の判断が出来るようになってきます。
この場合の判断とは、ヘルメット脱がないことでトラブルに発展しない、低評価が付かないといった判断基準になります。
共通しているのは「雨天」はヘルメットを脱がない可能性が高いということ。
【ピックアップ】ヘルメットを脱がない基準
ピックアップ時にヘルメットを脱がない基準の一つとしてゴーストレストランがあります。この他、フードデリバリー専用のピックアップカウンターがある店舗など。
また、大手飲食チェーン店や他のお客様が居ない雰囲気の店舗などはヘルメットを脱がない配達員が多いでしょう。
店舗前に到着してから1分以内にバイクへ戻れるような状況の時もヘルメットを脱がない配達員が多いはずです。
【ドロップ】ヘルメットを脱がない基準
オートロックがないマンション・アパートで置き配指定の場合はヘルメットを脱がない、ただしエレベーターを使うような階へのドロップならヘルメットを脱ぐ。
オートロックがあるマンションでも、大規模や高級マンションでない置き配はヘルメットを脱がない。
特殊な施設(ホストクラブ・キャバクラ等)の場合はヘルメットを脱がない、ただし超高級な特殊施設の場合はヘルメットを脱ぐ。
知人が住んでいるマンションや、近所・地元のマンション及び戸建てでは、対面の現金受取でもヘルメットを脱がない。
まとめ:ヘルメットを脱ぐかどうかは「信頼」の問題
ヘルメットを脱ぐかどうかは、マナーや防犯、さらには印象まで幅広い要素が絡み合うテーマです。
- フルフェイスはトラブルの原因になることも覚えておきましょう
- 少しでも顔を見せる工夫が信頼につながる
- ウーバー公式の推奨は信頼される配達員になること
完璧を求める必要はありませんが、「自分が受け取る側だったら?」という視点を持つことが、最良の配達員になる第一歩です。
どんなヘルメットが最適か?で迷った場合はシステムヘルメットがオススメです。
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